エイコサペンタエン酸 [ Eicosapentaenoic acid ]
読み方 : えいこさぺんたえんさん
エイコサペンタエン酸とは、三大栄養素の脂質(脂肪)の不飽和脂肪酸のn-3系脂肪酸のうちの一つ。Eicosapentaenoic acidを略してEPAと呼ばれる。
エイコサペンタエン酸は、魚中心の食事をしているイヌイット(グリーンランドの先住民族)には、血栓症が少ないという報告から、その存在が明らかになった。エイコサペンタエン酸には、血小板を凝集させる物質の生成を抑えて血液をサラサラにする、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らして善玉コレステロールを増やすなどの働きがあり、動脈硬化、脳梗塞、脳卒中、血栓症高脂血症、高血圧といった病気の予防、改善に役立つ。近年、エイコサペンタエン酸は、アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支ぜん息などのアレルギー症状や、慢性気管支炎をはじめとする炎症性疾患の症状改善にも有効であり、抗がん作用があることもわかっている。なお、エイコサペンタエン酸と同じ多価不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸も同様の働きをし、エイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸は互いに補い合って生活習慣病などを予防するが、血液の流動性を高める効果は、エイコサペンタエン酸の方が高いと言われている。エイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸の違いは、分子を構成する炭素数と不飽和結合の数であり、それぞれエイコサペンタエン酸が20個と5個、ドコサヘキサエン酸が22個と6個である。どちらも血液中の中性脂肪を低下させるという効果により特定保健用食品に認定されている。植物油に含まれるα-リノレン酸も体内に入るとエイコサペンタエン酸に変わります。エイコサペンタエン酸は、ドコサヘキサエン酸と同様にサバ・ハマチ・イワシ・サンマといった青魚などに多く含まれる。摂取する際には、鮮度に十分注意すると同時に、体内での酸化を防ぐためにβ-カロチンやビタミンC・ビタミンEの豊富な食品を組み合せて摂取するとよい。
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